衣替え。

電車で隣の席に座った女子高校生は半袖を着ていた。もう衣替えの季節だ。私は薄手のワンピースにカーディガンを羽織り今日もいつもと変わらない日々を送る。きっと隣の彼女もいつもの様に学校に行き、いつもの様に授業をうけていたのだろう。その変わらない日々の中で制服が変わる瞬間を私はいつもドキドキしていた。皆同じはずなのに、変な服装をしている訳でもないのにどこか胸のあたりがくすぐったかった。

夏は白が似合う。青が似合う。あんなに暑苦しい毎日なのに冷たい色が似合う。冷凍庫のひんやりとした空気を求めて何度も扉を開けては閉めた日が懐かしい。暑いのは嫌いだ。汗をかくのは嫌だ。に日焼けるのはもっと嫌だ。あんなに嫌いなのに恋しい。やりたいことも山ほどある。長くて一瞬のあの夏を、今年ももう一度。