価値観と恋愛と友情の話。

初恋。隣を歩くのが恥ずかしくて、人目を気にして手を繋げなくて、ぎこちない距離で歩いた放課後。忘れられない、私の大事な思い出。

 

なんて、私の過去にそんな恋愛などある訳が無い。最初の3行は完全なるフィクションだ。そんな甘酸っぱい青春なんて一切ない。そもそもみんなが恋愛したがる中高生時代、全くもって恋愛に興味がなかった。男性アイドルに熱中したこともなければ、逆に物心が着いた時には既に女の子の方が好きだった。AKB48のようなかわいい女の子に憧れては夢中になった。興味とか関心が完全に男<女だった。そこは今も変わらないのだけれども。だから同じクラスの男子を恋愛対象として見るなど考えたこともなかった。

中2中3で特に仲の良かった男子が2人いる。視力の問題の指定席でいつも3人セットで座っていた。みんなを引っ張る力のある2人に尊敬していたし、話すのがほんとに楽しかった。その2人は普通に彼女もいたし2人の恋愛話を聞かせてもらっては私は幸せを分けてもらった気でいた。ちなみに2人のうちの1人の彼女は、私の部活の後輩だった。私たち3人が仲良かったことは後輩達も知っていたので後輩とその友達が付き合った時に私がおめでとう!と祝うと、後輩の友達である別の後輩から

「でんつうさんは(友達)さんのことが好きなんだと思ってました」

と言われた。そんなこと考えたこともなかったんだけどなぁと周りの目というものを知った。だから自分が誰かといることでその誰かに迷惑かけるのは申し訳ないなと思った。

 

高校生こそ恋愛するにはいちばんキラキラする時期だ。まぁ私はそんな考えすら持ってなかったのだけれども。別に仲のいい友達に彼氏がいる子なんてほとんどいなかったし恋愛の話を聞いてそれで満足した。頑張れ!と言って応援するだけで、私自身が恋愛をするという考えすら全く沸かなかった。ちなみに私の青春は全部を部活に費やした。後悔は何もしてない。

放課後に制服デートとか、学校行事を一緒に楽しむとか、同じクラスでドキドキしながら席替えとか、この歳になってやっと羨ましいなと思う。私にはなかった青春だ。眩しすぎるキラキラした青春を送っている高校生達よ、今を謳歌するんだ。頑張れ少年少女たち。

 

ちなみにわたしは恋愛とかそういうのにうとすぎて、大学生になるまで子供がどうやってできるのかすら知らなかった。これはリアルな話。友達には流石にやばいと引かれた。そんなこと保健の授業で習わなくない?と思った。友達曰く習うらしいけど。

大学生はみんな恋人を作りたがる。同じ大学の友達もだし、もちろん地元の友達も。恋愛が盛んなのは見てて私は楽しいからいいと思うけど、大学生ともなると話が生々しい。手を繋いでキスをするくらいがせいぜいだった高校時代とは違う。踏み込んでは行けない気がしてくる。大人になるって怖い。

性的な目で見られるのが嫌いだ。女というだけで自分の中身を見てもらえない事が嫌だ。だから安易に心を許してはいけないことも学んだ。軽く見られるし変な目で見る人は沢山いるから気をつけなさいと友達に怒られた。おかげで自分を守る術を身につけた。そして怖い思いをした事のある友達も沢山いる事を知って女って理不尽な生き物だと思った。

 

その話をした上で、私は男女の友情は成立すると思っている。だけどそんなもの成立しないという人がほとんどだ。性別が違うだけで、仲良くすると誰が誰を好きだとかそういう目で見られる。そんなつもりがなくても勘違いさせるようなことをするなと怒られることもある。理不尽。同性の友達にご飯に行こうと言っても仲いいねで終わるのに、異性の友達にご飯に行こうと言うとデートだと言う。同じように食事をするだけなのに。

目の前の異性を、仲のいい異性を全員恋愛対象としてみるのか?と言いたい。これは価値観の問題だから正解とかはないんだと思う。友情は成立しないと言う人のことを否定はしない。そういう考えもあるんだなと思う。だから友情が成立すると思っている人もいるんだなと分かって欲しい。納得はしなくてもいい。理解はして欲しい。私はいつもそう思っては同時に生きづらいと思いながら生活している。