2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

アトリエ。

彼女は油絵が得意だった。塗りたくられたキャンバスの凹凸が好きなんだと、熱っぽい表情を見せた。雨に濡れた真っ白なワンピースをタオルで叩きながら、彼女は言った。 「最高に最低な人生を最高にするには、どうしたらいいと思う?」 ミルクティー色の猫っ…

否定の権利。

私の生き方は明らかに普通では無い。そもそも普通が何か分からないのに、今ある全てを否定されるなんてたまったものではない。私は最低な人生を、最低な自分という存在で生きているのだ。今更最高になんてなれやしない。最高どころか普通にだってなれないの…

拝啓、ひとりぼっちの君へ

はじめまして この手紙を読んでくれてありがとう。 息をするのは難しいことです。 いきるって、息をするってことですよね? 僕にとっては苦しくて仕方がないです。 酸素とか二酸化炭素とか僕には興味が無いし そんな理論的なものなんて求めてません。 ただ、…

透明な息をする。

きっと、理由なんて明確でした。 私の生きる世界も考えていることも全部が私のものなのです。だからね、私にしか結局は分からないのです。 ずっしりと思いカバンの中にはたくさんの言葉が詰まっている。でもそれは誰かのためではなく私のためのものでした。…