透明な息をする。
きっと、理由なんて明確でした。
私の生きる世界も考えていることも全部が私のものなのです。だからね、私にしか結局は分からないのです。
ずっしりと思いカバンの中にはたくさんの言葉が詰まっている。でもそれは誰かのためではなく私のためのものでした。私が好きなものは私だけが好きなものでした。向いてないのです、きっと。
元々存在している言葉を紡いで何かを作りだし、あたかも自分のもののように抱きしめるのです。苦しいくらいに抱きしめて、声を上げながら泣くしかできないのです。
考えているだけで、それを形にするのが苦手でした。形にしてしまえば触れられてしまうからです。触れられてしまえば壊れてしまう。ガラス張りの透明なケースに入れられて、大事に大事に保管されて、それでやっと私は息ができるのです。"近寄らないで"とは言わんばかりの、見えない壁があるのです。