メランコリーな平日の夜に。

隣の部屋の洗濯機の音で目が覚めた。深夜の3時半。あの音は別に嫌いじゃない。むしろ、楽しいとか嬉しいとか虚しいとか悲しいとか、全部まとめてぐるぐる回る。感情の変化にさえ一喜一憂し、私はまた眠りに着こうとする。

 

3年間付き合った彼のことを、私は1度も好きになれなかった。きっと彼にとってはキスをして、ハグをして、セックスをするためだけの、そんな都合のいい相手だったんだろう。別れを告げた日、私は確かに強く握られた拳で頬に痛みを与えられた。必死に化粧で隠し、惨めになっては嗚咽が出た。あなたが吸っていたタバコの臭いが脳に染み付いては涙が出た。

 

今の私は初恋のような気持ちの中で生きている。毎日にドキドキし、そのほんの一瞬にときめく。ああ、世界って思ったより綺麗なんだ。あの拘束された時間が、私の人生を殺していた。

深夜3時の洗濯機の音で怒るあなたはもう隣にいない。あれだけ怯えていた音も、今は愛おしくて嬉しくて耳をすませればすがりつくように隣の部屋へと耳を当てる。

 

 

そんな平日の、私の夜。