頑張ることを辞めたくなった。

生きることに疲れた。頑張ることに疲れた。

 

本当は好きな事だけをして生きていたい。本当は好きな人とだけ仲良くしていたい。友達、家族、恋人。大事にしたい人だけを大事にしたい。だけどそんなの私のわがままであってそう言うわけにもいかない。いけすかない同級生にも、嫌いな先生にも、嫌なお客さんにも、私は笑顔でいるしかなかった。笑いたく無くても笑わなければならない。嫌いだ。

嫌いなものに触れすぎて、本当は嫌いなんかじゃないのかもしれないと思った事だってある。自分を試すように、そして騙すように、わたしは大嫌いな生クリームがたくさん乗ったミルフィーユを口にした。甘ったるくて全てが気持ちが悪くて涙が出た。こんなことをしている自分が一番気持ち悪かった。気持ちがもうダメだったのだ。嗚咽をこぼしながら目の前のミルフィーユを口に入れる私はどれだけ滑稽なものだったのだろう。バイト終わりの深夜のみすぼらしいあの日の私は、いつも以上にどれだけ見苦しかっただろう。

 

頑張ることが辛くなった。頑張っても頑張っても報われなかったあの日々を思い出す。自分を犠牲にして結局残ったものは空っぽだった時の気持ちを思い出す。人のためと言って自分の気持ちを誤魔化しても結局残るものは虚しさと悲しさと大きなストレスだけだった。私はそれがどれだけ苦しいものかを物心がついた時から知っていた。

人の代わりにバイトに行く。嫌な気持ちを殺して行く。そして周りからは馬鹿じゃないのと呆れられる。嫌なら断れよと何度も言われた。利用されてるだけだとも言われた。だけど私はいつまでも変わらず利用され続けるのだ。きっと私は都合のいい人間なのだ。底辺を生きることしかしてこなかった。利用されて、馬鹿にされてここまで生きてきた。だから私は、この見苦しい生き方しかきっと出来ない。

 

泣いて誰かに縋りたいと思う。だけどそれが迷惑になると考えたら私は1人で泣くしかなくなる。泣いて、疲れて、次の日になって、何も無いまた空っぽの自分がいる。解決策なんてなくて、きっと何も変わらない。頑張りたくない。バイトなんてしたくない。自分の時間が欲しい。一緒にいたい人達といるために時間を使いたい。自分のしたい事のために時間が欲しい。だけど結局そんなことを思うだけでまた今日も時計を見てため息をついて、身支度をする。

一つだけわがままが言えるなら、私は自分のために生きたい。