おわりのはじまり
指先はふわふわと浮かぶシャボン玉に当たった。触れて、割れた。音もなく割れてしまった。
割れたのは私のせいなのだ。あの時触れなければ割れなかったはずなのに、私が割ってしまったのだ。
本当は私が触れなくても、そのうち割れてしまうことくらいわかっていた。自分のせいにしなければほかの何かのせいにしてしまいそうで怖くなったのだ。だから、私が割ったのだ。私が、この指で。
時間の問題といえばそうかもしれない。いつか来る終わりなら、私がこの手で終わりの瞬間決めてしまうのが正解なのかもしれない。そうおもって、触れた。
さようなら、さようなら。