青い春に息をして、

制服というのは自分を学生であると自覚させてくれるものだった。わたしはまだ子供であると見せびらかして、責任から逃げるように私はあのスカートを揺らしブラウスに袖を通していた。私は制服に守られていた。高校の卒業式の後、この今身についている制服を脱いでしまうと私は二度と高校生である私には会えないのだと思って脱げなかった。魔法が解けてしまう瞬間を怯えるシンデレラのように、ただ怖くて仕方がなかった。高校生ではない私は何も無いただの1人になってしまう。世間の中に放り出され、膨大な海の中を1人で泳ぎ続けろと言われるように感じた。孤独で仕方がなかった。もう誰も私を必要としないような気がした。大袈裟だと笑われるかもしれない。でも私はそれくらいに悲しかったのだ。ただ、苦しかったのだ。