あと少しという少しでもない言葉を沢山聞いてきた。
あと少し。
その言葉にどれだけ苦しめられてきただろう。少しなんて気の所為だ。あと少し、なんて誰かがわざと希望を持たせるためについた嘘なのだ。あと少し頑張ったらきっとあなたは報われる。そう人事のように言うのだ。そのあと少しがどれだけ重く痛々しいのかを知らないくせに。
あと少しであなたは何かを得られたと言われた時、確かに希望が見えた気がした。気がしただけだった。結局その、あと少しは私には訪れない幻となったのだ。あと少しだったのはあのたった一瞬だけで、あとはもう無駄だったのかもしれない。